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2022.10.07
墨田区の「隅田公園ひょうたん池かいぼり大作戦」に参加しました!
2022年9月に、すみだ水族館から歩いて約10分の墨田区立隅田公園内の「ひょうたん池」で行われたかいぼり大作戦に参加しました。ひょうたん池は、隅田公園内の日本庭園にあり、1977・1978年度に行われた大改修によって現在の姿になりました。今回は、墨田区主催のもと、ひょうたん池で大改修後、初めてのかいぼりが実施されることになり、飼育スタッフも協力し、見つかったいきものを参加者のみなさまに説明したり、記録していきました。
「かいぼり」とは
もともと「かいぼり」は、ため池を良い状態で保ち続けるために行われる管理作業のひとつです。生息しているいきものを捕獲し、池の水を抜き、池底のヘドロをなくし、天日干しすることで、微生物による分解が促進され水質の改善につながるとされています。また近年では、池の生態系に大きな影響を及ぼすいきものの駆除によって、生態系の調和の回復のために実施されることが多くなってきています。
このひょうたん池のかいぼりは、池の工事にともない約半年かけて行われます。池を南北半分に仕切り、2022年9月に池の北側半分の水を抜き、池に暮らすいきものを救出。現在、残りの泥をさらって池の工事中です。2023年1~2月頃に南側半分もかいぼりが実施される計画(一般参加の予定なし)で進められています。
「かいぼり」のようす
子どもたちにいきものに関心を持ってもらうことを目的に、応募で選ばれた子どもたち10人とその保護者のみなさま、すみだ自然環境サポーターのみなさま、そしてすみだ水族館の飼育スタッフ、あわせて約40人が参加しました。池に到着すると、「どんないきものがいるのかな」とみなさまワクワクした様子。飼育スタッフから参加者のみなさまに「いきものについて、ぜひ質問してください!」とご挨拶し、たくさんの質問をいただきながら、楽しくいきものを見つけていきました。
ひょうたん池で見られたいきもの
体長約50~80センチのコイをはじめ、ドジョウ、ヌマエビ、シオカラトンボのヤゴ、アメリカザリガニ、ミシシッピアカミミガメなどおよそ300匹が見つかりました。採取したいきものは飼育スタッフがひとつひとつ種類、数を記録していきました。
身近ないのちを大切に
かいぼりで見つかったいきものを見てみると、その池の生態系の頂点や外来生物の影響などがわかります。
たとえば、外来生物であるカダヤシ。実は、メダカなど在来のいきものに影響があるとして特定外来生物に指定されていて、無許可で生きたままでの移動が法律で禁止されています。ひょうたん池でもたくさん見つかりました。一方アメリカザリガニは3匹だけしか見つかりませんでした。きっとコイやカメが食べているのだと考えられます。
今回のひょうたん池は、人の手で作られた人工の池です。かいぼりを通じて、自然とはまた異なる環境で独自の生態系ができ、たくさんのいきもののいのちがつながれていることがわかりました。参加者のみなさまにとって、いきものを身近に感じ、いのちの大切さや、自然保護について考えるきっかけになればと飼育スタッフ一同感じています。
すみだ水族館は、より地域に密着した水族館になれるよう、水族館を飛び出して、地域との取り組みや身近な自然、いきもののことを考え、大切にする活動を行っており、今後もさらに取り組んでいきたいと考えています。
すみだ水族館が目指す“水族館のある暮らし”の実現のために、地域の自然環境で暮らすいきものとわたしたちの、お互いの共存も大切にしたい。水族館が暮らしの一部となり、地域のみなさんにとって公園のような場所になれるように、みなさんと一緒に歩んでいきたいと思います。
今回のかいぼりで確認できたいきものの一部を、2022年10月8日より、すみだ水族館で展示を開始します。
身近なところで暮らしているいきものに、ぜひ会いに来てくださいね!
すみだ水族館で展示するひょうたん池のいきものたち
モツゴ、ドジョウ、クロダハゼ、ヒメタニシ、カワリヌマエビ属の1種、ミナミイシガメを展示予定です。