コラム

2025.03.26

オットセイは可愛い。ただそのことを伝えたい。

  • オットセイ

皆さんこんにちは!すみだ水族館でミナミアメリカオットセイの担当をして8年目(2025年3月時点)の中島です。以前のオットセイコラムではオットセイという動物と各個体の個性についてご紹介しましたが、このコラムでは「オットセイ」がいかに魅力ある動物であるか!を存分にお伝えしたいと思います!「アシカ」でも「アザラシ」でもありませんよ?オットセイです。知れば知るほど個性豊かで魅力にあふれたオットセイたちのおはなしに最後までお付き合いいただけると嬉しいです!みんなでオットセイ沼にはまりましょう~!

一番伝えたいことなので最初に言います。オットセイはカワイイ!です。どこが可愛いって?それは数え上げるときりがないのですが、いくつかのカワイイポイントをご紹介します。‌

■ここが可愛いオットセイ① 「寝起きとグルーミング」

寝起きのカワイイオットセイ「サブリ」

どうですか?寝起きのオットセイ、最高にかわいいでしょう?これ本当にオットセイ?と感じた方もいるかもしれませんが、皆さんが思っているよりもオットセイは毛がふさふさ!まるでクマのような顔をしていますよね。それもそのはず、オットセイの学名「Arctocephalus australis」は南にいるクマの頭を持つ動物という意味。系統としても可愛い動物の代表格であるイタチやレッサーパンダ、クマに近い動物なのです。館内の電気が付くとすぐ泳ぎに行ってしまい、なかなかみなさんに見てもらう機会がないけれど、この寝起きのオットセイの可愛さをぜひ見ていただきたい!と思い、真っ先にご紹介しました。乾いてふさふさのオットセイはかわいいですが、なかなかキツめの獣の臭いがします。でも動物の肉球のにおいが好きな方にはたまらないかもしれませんね。わたしは好きです!‌
ふさふさな毛皮を持つためオットセイも「グルーミング」(毛づくろい)をします。グルーミングは寝起きの朝に見られることが多く、きれい好きなオットセイはみんな念入りに体を洗います。なかでも、顔を洗う様子は私のお気に入り!気持ちよさそうなお顔がとってもチャーミングなので、みなさんにぜひ見て頂きたい!そしてその可愛さを共有したい!ですので館内でその様子を見たら、SNSへの投稿やぜひスタッフに直接声をかけて教えてくださいね!


■ここが可愛いオットセイ② 「おみみとちっぽと大きなおめめ」

「サブリ」の耳介(左)と「サブリ」のしっぽ(右)

アザラシと違ってオットセイには耳たぶ(耳介)があります。とても小さくて気がついていない方も多いと思うので、ここで見てください!やっぱりとてもかわいい!ゴハン中、耳が近くにあるとついつい触っちゃいます。ちなみに、すみだ水族館にいるオットセイの中では「ひいな」の耳がぴーんとしていて見やすいので、館内に来たら探してみてくださいね。‌
そして「しっぽ」ではなく「ちっぽ」とついついそう言いたくなってしまうくらい、大きな体に似つかわしくない小さなしっぽがあります。ここも、ついつい触りたくなるところ。

「サブリ」の大きな目

そしてオットセイの特徴でもある大きい目。この目も近くで見ると「かわいい…」と無意識で口に出してしまうと言ってしまうくらいのカワイイポイントです!‌
オットセイは水中での視力もいいので、アクリル越しに遊んでくれることも!いつも来館者の方と遊んでいるのは一番小さなこどものアテナ(2025年6月で3歳)です。お子様とアテナが遊んでいる光景をみると、ついこちらまで笑顔になってしまいます。もちろん、大人の方もアテナとたくさん遊んであげてくださいね。


■ここが可愛いオットセイ③「爪と大きな声」

「サブリ」の後ろ肢の爪

オットセイは後ろ肢にしっかりとした爪が生えています。爪を器用に使って頭を搔くのもお手の物。かいている時の気持ちよさそうなお顔もやっぱりチャーミング!オットセイもしっかり爪が伸びるので、たまに切ったりしていますよ。‌
かわいい顔をしているオットセイですが、声は意外と太くてたくましく、個体ごとに違って個性豊かです。それぞれ声が違うので、スタッフは声を聞いただけでどのオットセイの声だかわかります。オットセイの声が館内に響き渡るのはゴハン前が多め。館内でオットセイの声が聞こえたら、オットセイのゴハンタイムが近いかもしれませんよ!


■オットセイのゴハンと体調管理‌
すみだ水族館でのオットセイたちのゴハンは魚です。私たちの食卓でも身近なサンマやイカナゴ、キビナゴ、ニシンなどで、個体によって魚の種類、切り方の好みが違います。例えば、アナはサンマの切り身が好きで特に2㎝カット位が好みです。ジュアナはサンマ1尾のまま、サブリは中くらいのサイズの形の崩れていないプリッとしたキビナゴが好きで、ひいなはイカナゴ1尾丸ごと、そして一番小さなアテナは小さいイカナゴ丸ごとといった感じです。好きなものだけあげても、もしもその魚が獲れなくなってしまったときに食べられるものがなかったら大変です。そのために私たちは彼女たちの好みも理解しつつ、いろんな種類の魚が食べられるように工夫しています。もちろん、魚の鮮度にもこだわっていますよ!‌

オットセイのゴハン(上からサンマ、イカナゴ、ニシン、キビナゴ)

魚の種類によって脂が多かったり少なかったり。脂っこいものばかりあげて太りすぎてしまわないように注意するために1日のトータルカロリー計算もしていて、体重を見ながらメイン担当が量とそれぞれの魚種を調整しています。時期によっても多少変わりますが大体1日で1.5㎏~2.5㎏くらいのゴハンを食べています。‌
体調管理のためにしていることは、ゴハンだけではありません。私たちの健康診断と同じようにすみだ水族館では次のような検査を定期的に行っています。‌
ボディチェックと体重測定中のようす‌
①体重測定(ジュアナ) ②体温測定(アナ)
③口内チェック(アナ) ④前ヒレの傷チェック(アナ)


●ボディチェック:1日の最初のゴハンの時に、まずは体にケガが無いか、異変がないかを直接体を触って確認します。‌
●体重測定:体重の増減と食欲を確認しながらゴハンの量を考えます。‌
●検温:熱がないか体温計でチェックします。確認する場所はおしりの穴。オットセイの体温は、人間とほぼ同じで36.0~37.5℃くらいです。‌
●血液検査:足から採血をして、体に悪いところがないか?臓器に異常がないか?を調べます。‌
●便検査:定期的にうんちを採取して、顕微鏡で調べて悪い細菌がいないか確認します。‌
その他にも、体調に応じてレントゲン撮影やエコー検査などオットセイたちが健康的な生活を送れるようにいろいろなことをしています。ですが大変と思ったことはありません。だってかわいいかわいいオットセイたちのためですから!‌

どうですか?オットセイって魅力に溢れているでしょう?すみだ水族館といえばペンギン、クラゲ、チンアナゴと思われがちですが、オットセイも見逃したら勿体ないですよ!この記事を読んだ皆さんが、少しでもオットセイに興味を持って、好きになってくれたら、さらに欲張るとすみだ水族館のオットセイたちに会いに来てくれたら、オットセイ担当としてこれ以上嬉しいことはありません。ぜひ、すみだ水族館のオットセイたちに会いに来てください。ぜひ一緒にオットセイトークをしましょう~!最後まで長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!

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