世界一のタワーができるって。水族館にも歩いて行けるらしいよ。隅田川が流れる下町で、そんなお話が現実となった10年前。まちの人たちはみんなちょっと熱くなっていました。私が友人たちと「すみだクリエイターズクラブ」を立ち上げたのも、ちょうどその頃。 東京の東側が面白くなりそう、と移住するクリエイターがふえていた時期です。
ある日。すみだ水族館から「金魚屋台を地元のクリエイターでつくってくれないか？」というお話をいただきました。今も館内にあるレトロモダンな金魚屋台は後にグッドデザイン賞を受賞する『東京金魚プロジェクト』の一環として、すみだのクリエイターたちが完成させた作品です。お披露目にはすみだ水族館で大納涼会を開催していただき、地元の人びとが浴衣で300名以上集まりました。 美しい照明とアロマの香り。ペンギンやクラゲなどのいきものたちといっしょに、江戸の頃から下町で愛されてきた金魚がいる水族館。そんな場所がご近所にあって、お気に入りのいきものにいつでも会いに行けるなんて…。
「年間パスポートで、すみだ水族館をあなたのお庭に‼」というコピーは私の実感。すみだ水族館は、みんなが大好きなこのまちのお庭なんです。