10年という時間のドラマが
すみだ水族館開業10周年、おめでとうございます。
水族館に入っていちばん最初に現れる水槽「自然水景」。水槽に生態系など自然の要素を取り入れた独自の水草レイアウトスタイル「ネイチャーアクアリウム」を確立した故人、天野 尚が制作した7m水槽と4m水槽は開業約2ヵ月前から制作に着手しました。
今でも天野と一緒にこれらを制作した数日間が懐かしく思い出されます。
10年間という長い月日の間には表からは見えないさまざまなドラマがあり、それが今の自然水景がもつ深みにつながっていると思います。
最初の展示エリアに位置する自然水景は、水槽全体を調和した一つの生態系として見てもらいたいという思いから、詳しい魚類名や植物名はあえて表記していません。
水草の光合成によってつくられる酸素の気泡や、その酸素を呼吸して元気に泳ぐ魚たちの姿から、自然環境の仕組みを未来を担う子どもたちに理解してもらえたらと思います。
これからも私たちは天野の意思を受け継ぎ、すみだ水族館の「自然水景」を通じて自然や緑の重要性を伝えていきます。
本間 裕介
水景クリエイター
株式会社アクアデザインアマノ(ADA) 水景クリエイター
ネイチャーアクアリウムを確立した故 天野 尚氏に1994年から師事。以後、約20年に渡り助手を務める。現在はADAの水景クリエイターのリーダーとして、世界にネイチャーアクアリウムの魅力を発信している
株式会社アクアデザインアマノ(ADA)公式HP:
https://www.adana.co.jp/jp/index.html